M・Mさん 33歳女性 専業主婦
学歴:大学卒
家族:夫
家族構成:父、母、妹
世帯年収:800万円
夢の海外就職。しかし2年でリストラに遭い解雇
– 大学を卒業してからの経歴を教えてください。
卒業後、海外の航空会社に就職しました。2年ほど働いたのですが、会社の業績悪化でリストラに遭い帰国。その後、派遣社員で英語の通訳を2年ほどし、転職して一般企業のOLを3年ほどやりました。そこを辞めたあと、また4年ほど航空会社で働いたのですが、今は退職しています。
– 海外で就職されたのはどうしてですか。
幼い頃からの夢だったんですね。周りはやはり国内で就職する友だちが多かったですが、不安などはまったく感じなかったです。
– ご両親に反対されたりはしませんでしたか。
親は応援してくれました。希望の仕事に就けることをとても喜んでくれましたね。ただ、母の友人などは「そんなところに就職させていいの」なんて言っていたようです。田舎なので、ちょっとそういうところがあるんだと思います。
– 実際に働いてみていかがでしたか?
留学経験もあるのですが、やはり働くのとでは厳しさが全然違いました。
– 日本の会社と比べて違いはありますか?
日本の会社はたしかに休みは少ないですが、きちんとしていて働くにはいい環境だと思います。向こうは、口約束だと好き勝手言って来るので、必ず契約書を交わさないと。それに、お願いしたことができていないこともしょっちゅうでしたね。
逆に日本で難しいなと思ったのは、暗黙のルールが多いこと。文化の違いなので当然ですが、感じて察してということが多かった。海外の影響を強く受けすぎたのかもしれませんが、向こうははっきり言うのでその点はわかりやすかったですね。
– 日本人は英語が苦手な人が多いですが、何か思うことはありますか?
みんな本当はしゃべれると思うんですよ。でも自信がなかったり、恥ずかしかったり。外国人というと、金髪に青い目というイメージがあって、そういった人たちと対等に話せなければダメだと思い込みがちなのではないでしょうかね。
– 目標が高すぎるのでしょうかね。
日本の文化として、何に対しても「完璧でないといけない」というのがありますよね。そういうところも、英語の勉強をはじめにくくしているんじゃないかなと。
– 2年ほどで辞めざるを得なくなった時は、どんなお気持ちでしたか。
同僚はそれほど動揺していなかったのですが、自分は予想もしてなかったのでとてもショックでしたね。当時の自分にはこれしかないと思っていたので。
28歳で結婚。子どもはまだ決心がつかない
– ご結婚されたのはおいくつですか?
28歳です。主人とは、アウトドアスポーツの趣味で出会いました。付き合いは1年弱くらいですね。
– 割と短めかと思いますが、結婚を決意したきっかけは?
その頃、一緒に住みたいとお互いに思っていたんです。歳も歳だし、それなら結婚しようかと。お互いのタイミングが合ったからですね。
– お子さんはいつか欲しいと思われますか。
もしできたらいいな、というくらいですね。2人とも決心がつかなくて。
– 決心がつかないといいますと?
言い方は悪いですが、子どもができると不自由になることも多いですよね。うちは2人とも旅行が好きなのですが、子どもがいるとなかなかできなくなるでしょうから、まだちょっと決心できない感じです。もし子どもができなくても、それはそれでいいくらいで、主人ともよく話しています。
– どういう時にそのような話になるのでしょうか。
Facebookとかを見ていると、同年代はもう子どもの話題が多いですよね。そういうの見ている時かな。
– 旅行がお好きという話ですが、今までで一番印象深かった国はどこですか。
ネパールです。何というか、進化していない国。道路も砂利で、近代的なお店もなくて。そういう国がはじめてだったので、衝撃が大きかったですね。手でご飯食べたりとかも面白いなと。
今の夫に会えたことが、人生最大の幸福
– 今までの人生で一番嬉しかったことは何でしょうか。
言いにくいですけど、今の主人と出会ったことでしょうか……。いろいろ話していくうちに、自分のことをわかってくれる人に出会えてよかった、幸せだなという思いを強くしていきました。
– それまでお付き合いされた中で、ご主人が一番の人でしたか?
はい、ダントツの人でした。
– それはどういったところなのでしょうか。
尊敬できる部分が多かったですね。言ったことは必ずやる、有言実行なところとか。
– では、一番辛かったのはどんなことですか。
海外で働いていた頃の生活ですね。今でも思い出すと、どんよりした気分になります。夢に出てくるくらい。
– お仕事を辞めたこと? または忙しかったとか?
いえ、仕事は楽しかったしやりがいもあったのですが、生活が大変でした。たとえば、街を歩いても差別を受けたりとか。私の思い込みなのかもしれませんが。何をやっても、どこに行っても楽しくなかった。一人でいるととても辛かったですね。
戻れるなら中学生。もっと友だちと遊んでいればよかった
– もし戻れるなら何歳がいいですか。
中学1年生くらいですかね。
– それはなぜでしょうか。
もっと友だちと遊んでおけばよかったと思います。勉強ばかりの子どもだったので。
– ご家庭が厳しかった?
それもありますが、当時から就きたい職業に向けて頑張っていたんですね。だから、友だちづき合いは必要ない、なんて思ってました。誘われても「私には英語の勉強があるの」なんて言って断ってました。今となっては、そんなのあとでもいいのにと思うんですけどね。
妹が友人が多くて、しょっちゅう結婚式に呼ばれたりするので、それと比べると、もっとたくさん友だちがいたら楽しかったかもしれないなとは思います。
– 話しかけづらいタイプだったんでしょうかね。
ツンツンしてましたね。昔の友だちから連絡をもらうと、あんなにツンツンしてたのに付き合ってくれてありがたいなと思うくらい。「当時はごめんなさい」と謝りたいですね(笑)
– 幼い頃からの夢を叶えることができたのは、どうしてだと思われますか。
私の場合、両親が留学させてくれたり、環境がよかったのだと思います。そういうことができない環境の方もいるでしょうから。それに、たまたま仕事の募集が出たので、運がよかったんですね。
– これからどんな人生を送っていきたいですか。
頑張りすぎず、生活に張りを持って、正直に生きていきたいです。周りの人に優しくしてもらっているので、感謝の気持ちを忘れずにいたいですね。